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キンドル本出版奮闘記 第二ラウンド

キンドル本出版奮闘記 第二ラウンド


 新稿は、やはり厳しいので。
 次は、「死んでる本」のデジタル再生から、まず一本。その方針で臨んだ。
 それというのも、拙著二点を電子化した某版元がいうには。うち一つはフィックス型で作ったそうな。売り値は活字本とおんなじ! 見本は見せてもらってない。
 なので、つまり。 フィックス型がどんだけ簡単に作れるか、自分で試してみた。
 結果は、見事に失敗。
 見開きページを一枚にして、スキャンしてしまった。これじゃ読めないや。
 しかし、一ページ一枚にしても、どうかね。四六版の活字組をキンドル・サイズに縮小するわけだ。快適に読めるわけがない。
 どうするべえか。思案した。
 データは PDF で保存。これだと、OCR にかけられない。一から「スキャン→OCR」をやり直す気力は、とてもとても湧いてこないし。はてさて。
 PDF Xchange Viewer というソフトがあって、これは、日本語も「読んで」くれる。いちおう試してみたが、どうにも非力そうで採用できん。
 OCR ソフトは、パナソニックの読取革命(なんちゅうネーミングや)を持っている。わざわざ買ったのではなく、ヤフオクで安くゲットしたスキャナーについてきたバンドル版だ。スグレ者だけど、PDF の入力ができなかった。
 仕方がない。Open Office Draw で、PDF ファイルを画像(BMP)に一括変換してやった。この BMP ファイルを、読取革命サマに入力した。これも一括操作なので、待っていればいい。コーヒー・タイムにする。
 やっと文字データに「変身」してくれた。
 ここまでが仕込みの前半で。

 後半の折りかえし。
 今回は、ePub 作成に Romancer を使わせていただくことにした。
 まず、テキストを Libre Office Writer で編集。しかし、これはうまくいかず。.docx で保存すると、部分的に壊れてしまう。肝腎のルビの部分が破損する。最新ヴァージョンの4.1.5でも同じ結果。
 やはり、Word さまでないとダメなのか。いやいやながら時どき使っていたのを復活させたけれど……。昔のヴァージョンだったので、.doc でしか保存できん。
 本当に面倒くさいな。
 ついに、仕方なく Office 2010 をインストールする羽目になった。
 食わず嫌いという言葉もあるけれど、使ってみると、Word さまは、そんなに「嫌な奴」でもなかったな。ただし、データ原稿がすでに用意してあって、編集作業に特化する、という限定条件つきでなら、です。
 シンプル・テキストで作っていくより、完成データのイメージに近いかたちで編集できる。そこがメリットか。
 そういうわけで、最初から「Word → Romancer」のコースを選んでいれば、後半の仕込みも、さらに短時間でクリアできただろう。
 個人的な要望をいえば、Word の囲み文字機能を応用してみたかった。けれど、Romancer では、未対応とのこと。残念。

 でんでんコンバーターか。ロマンサーか。
 あるいは、第三の強力な助っ人が登場するのか。

 次回はまた、別のコースを試してみよう。

 そうだった。
 本の内容についても一言。
 テーマは、半世紀前の小松川事件。フレーム・アップによる極刑であることは疑いないが、その様相は、じつに錯綜としたものだった。
 先日も、泡沫SF作家の某が恥ずかしげもなく書いた「嫌韓本」の広告を目にして、ゲェーッと反吐が出そうになった。ますます図に乗るヘイト・スピーチかよ。そんな社会であるかぎり、わたしの『李珍宇ノオト』にも、まだ存在する余地があるのだろう。

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