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更新日2010.12.08 『日探』書評いくつか

更新日2010.12.08 『日探』書評いくつか

 ubuntu10.10 が、このところフリーズしまくる。マウスはもちろん、キーボードも効かなくなる。強制終了の一手しかない。
 一ヶ月半くらいはスムースに動いておった。原因はわからない。
 OSを入れ直すしかないだろうか。面倒でやってらんないな。

 『日探』の書評がぼちぼち出はじめる。集成本としての意義が、当人にも、ようやく、というか実感をもって、了解できるようになってきた。
 全体的な枠組への評価は、
①「日本近代文学の本質を〈十年前後〉という時間のなかに凝縮してみせた」(川村湊 『東京新聞』11.14)
②「探偵小説の定義それ自体を揺るがす思考に満ちた」(長山靖生 『読書人』11.19)
③「戦時下の屏息と……同じ事態が今後起きかねない……という著者の思いの熱さ」(千街晶之 『日本経済新聞』12.5)
④「従来の「ジャンル別文学史」に対する公然たる批判、果敢なる挑戦」(谷口基 『「文学史を読みかえる」研究会通信62』)
といったようなところ。

 細部の個別の論点については、
①「小栗虫太郎とユダヤ人問題」 (栗原幸夫)
②「川端における植民地小説」 (長山)
③「高太郎における漱石残響」「尾崎と花田における帽子とモダニズム」 (谷口)
④「高太郎のロスマク先駆」 (横井司 『2011本格ミステリ・ベスト10』)
⑤「乱歩「恐ろしき錯誤」などの読み取り」 (千街)
などへの着目があった。
 これらはだいたい連載時のままのパーツである。
 配列はランダムであったとはいえ、元から出来ていた。どちらかといえば、この種の反応のほうが一息つけるという感じだ。(敬称略)

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