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多羅尾伴内・七つの顔の男だぜ2

多羅尾伴内・七つの顔の男だぜ2

反故の山を燃やしていたら、別名義で書いたエロ小説が出てきた。
筆跡はたしかにわたし本人のものだ。
多羅尾伴内の名前なので、七五年あたりのものか。
しかし執筆は八一年だったような気がする。一部分をアップする。


 

実録ノーパン喫茶戦争 (部分)        多羅尾伴内

………
その日は、いろんなことが重なって疲れました。閉店して、女の子たちも服を着て帰りました。美子さんは、やっぱり、とても毛深かったんです。それをこの眼でとっくり確かめても、わたしは、気が落ち着きませんでしたね。何か、胸騒ぎがして……。
わたしは、内側から店の鍵を閉めました。酔っぱらいが迷い込んでこないようにです。そして、更衣室に入っていきました。いえ、更衣室といっても、そこは、商品の在庫置き場も兼ねているんです。ストックを調べて、注文をチェックする必要がありました。
ところが、そこに入って、まずいっとう最初に目についたのは、美子さんのロッカーでした。ええ、そうなんです。そこから、彼女が、今日、お店の制服として履いていたパンティストッキングの一部分がはみ出していたんです。それも、それは、先の部分ではないんです。
根元です。彼女のどっしりとしたヒップと、その付近に密集した中枢部の土手にですね。そこに、激しくもくいこみ、はりついていた、その根元です。彼女の毛深い森と、その奥の奥にねむっている暖かい花園に、ぴったり、むっふり密着していた、それなんです。
最初は、職業意識が、わたしを支配しました。あくまでそれは、お店の制服です。それを彼女は、入社早々、だらしなく脱ぎ捨てて、ロッカーに半分放り込んだまま、帰ってしまったのです。そのことに対する、軽い非難の気持ちが、湧いてきたものです。
当然、わたしは、ロッカーの合鍵を持っていました。それで、開けて、はみ出している部分を中に入れようとしたんです。それが始まりでした。わたしはただ、それを、整頓しようとしただけなんです。しかしそれは、わたしの指に、いつの間にか、まとわりついていました。
まるで、彼女のソコが、わたしを、その瞬間に求めたようにも――。彼女の、ソコ、が、ですよ。何か甘美な陶酔が、わたしの胸を、さしつらぬきました。彼 女は毛深くて、(これは今日、この目で見ました)、下ツキ(これは想像、でもきっとそうです)で、シジミのおすましみたいな花蜜をあふれさせ、太った体 で、わたしを求めるでしょう。ええ、求めるに決まってるんです。
わたしはそれを、その部分を、ひろげて仔細に観察しました。すると何本かの毛が、繊維にからめとられて、残っていました。それらは太く、ねじれ方もダイ ナミックで、毛根の抜け際も鮮やか、長さも堂々としていて、わたしのそれに比べたって、決して見劣りするものではなかったんです。まぎれもなく美子さんの ものでした。
続いて、わたしは、それをすっぽりと頭からかぶってしまったんです。わたしはもう、たまらなくなっていたんです。自分が何をしているのか、何をしようとしているのか、はっきりした自覚が失われつつあったんです。
あなた下から百合の花
わたしゃ上から迫撃砲
口は水仙玉椿
足はきりりと蔦葛
なんてェ鼻唄まで出てくる機嫌になりましたよ。あのねえ、下ツキの女は、後ろからやるのがいいんですな、そりゃもう。どうしてかッて? いやですねえ、そんなことを言わせるんですか。おいどの肉が、たっぷりたっぷりしていますでしょう。それなんですよ。
ええ、シルエットをごらんなさい、下がってもいないし、ツンと上がってもいないんです。黄金の釣り合い、異なる逆方向の力の均衡、内外の諸矛盾の集中的 緊迫、とでも言いましょうかね。つまり、なんです、熟れ頃のお肉がプルンプルンして、今にも落ちそうな、だけど落ちない、そんな感じです。そんな、おいど です。
そんな豊潤で、垂れ下がって落ちそうで、それでいて張り切っている、おいどの真ん中に、突撃して、たまたま、にょろりと奥の花芯に、むかえいれられる、そんなかんじが、わたし、好きなんです。ええ、もう、アソコに言葉がしゃべれたらですね、おいどの間から、さしずめ、
「早く、早くぅ」
とでも、叫んでいる、野性の呼び声、青春の発見、人間の証明、三部作が聞こえてくるようです。ヒヒヒッ。や、どうも……興奮すると、書くことが支離滅裂になっていけません。シリメツレツではいけませんや、尻熱々シリネツネツに、突き入れで突きまくるんですから。
彼女の芳醇なる悦びの蜜は、わたしの愚かな、図体のでかいムスコを導いてくれる、優しい案内係です。ええ、それもこれも、彼女の桃の花の在り場所が、幸 いしているんです。下ツキだからこそいいんです。おいどのたっぷりした肉が柔らかい反撥力で、上になったわたしを押し返すんですね。このどっしりした柔ら かさを、どうやって言葉に現わしたらよいでしょうか。このどこまでも幻妙茫洋たるお肉の波浪が、突撃の入射角を、刻々と籠絡して……。や、また、頭が混乱 しちまいました。
つまりですな。ま、そんなわけで、わたし、美子さんのパンティストッキングを、すっぽりかぶってしまったんです。なにせ脱ぎたて、まだほかほか蒸れて、 暖かかったですよ。それに谷間のあたりが、ほんのかすかに濡れているじゃありませんか。わたし、打ち明けて言うのもお恥ずかしいんですが、こんな感じは初 めてでした。
なんかこう、背骨から頭の先まで、ピィーンと張り切って、まるで体ごとエレクションしてしまったみたいな具合で……。ええ、体の中で血が温泉を沸かします、心臓は勝手に走り出して救急警報を鳴らします、もう息苦しいやら、喉の奥が急に渇きだすやら。
ハッと気が付いたときには、パンティストッキングを口にほうばったなり、わがムスコはイルカの曲芸みたいにのたうちまわって、ズボンの中をねっとりと洪 水にしてしまう始末なんです。これは、ああ、わが人生最高の恍惚を、わたしに与えたんであります。それが長い時間だったのか、短い時間だったのか、全然、 おぼえていません。もっと舌の全体で、彼女の味と匂いとを堪能しながら、愉しむ、なんて余裕もあらばこそです。
パンティストッキングは、無残、大穴があいていました。わたしはもう、この時から、後戻りできなくなってしまったんです。
次の日、わたしは、何気ない顔をして、穴のあいたそのパンティストッキングを素肌に履いて、お店に行きました。
そう言えば、思い出したんですが、学校の頃は、寒い季節にかると、よく女物のパンティストッキングのお世話になったものです。防寒効果は口実ですよ。そ れを履いたままセンズリをかくのが、なにより楽しかったからです。級友のなかには、ミルクとバナナを入れたミキサーを回している中に突き入れるのが最高と 言った奴もいました。怪我したらどうすんだと言うと大丈夫と言ってました。よっぽとナニが短かったんでしょうな。わたしは、もう、ひたすらパンスト派でし たよ。ひんやり、ひっそり、むっちり、と食い込んでくるアレがもうたまらなかったです。指なんか使わなくとも抜けるときがありましたね。
そのときを思い出して、最高の気分でした。
営業が終わると、さっそく内鍵を閉めて、お店は、わたしと彼女だけの世界となりました。
穴のあいたパンティストッキングから、自慢の巨砲を天井に吠えさせて、わたし、今脱がれたばかりの、毛が数本ついて、じっとりとおツユを吸って、ほって りと燃えている、彼女のパンティストッキングを味合うんです。今日はゆっくりと、ゆっくりと、楽しみます。まずは、嗅覚を喜ばせてやります。慎重にその部 分をつまんで近付けます。何か、これだけでもう、わたし、とろけそうに、切なくなりました。まる一日、助平なお客の視線に舐めまわされて、足をすぼめて歩 くから、こすられて、いい加減、濡れ狂っているんですよ。
ええ、切なくなりました。たまらなくなりました。たまらなくなって、鼻をこすりつけました。あの匂いです。ツンと鼻をさして、甘ったるいあの香り。こすりつけて息をいっぱい吸い込みました。そうすると、彼女の中のものが、残りなく、わたしに吸引できると思うのでした。
それから、舐めて、しゃぶるんです。もうブレーキがききません。もう、何もかもわからなくなります。
ちょばちょばずずーッ、ちょばちょばずずーッ……。
ちょばちょばずずーッ、ちょばちょばずずーッ……。
しつこいですか。
気が付くと、体じゅうの血が、わたしの雄大なムスコの先に、民族大移動をしてきたかのように、煮えたぎり、白い宇宙戦士たちを威勢よく吹き上げて、わたし、そのまま、ぐにゃりとへたりこんでしまうんです。
そんな、
夢のような、
シアワセな毎日が、
幾日つづいたでしょうか。
幸福な日々の与える平和は突然やってくる破局を避ける本能を鈍らせる、と昔の人は言ったそうです。
そのとおり、わたしの密かな悦楽のときも、突然、崩れ去ってしまったんです。

to be continued

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