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ランキング2015

ランキング2015

ミステリマガジン2015.1 

 定評ある名作の新訳・改訳がかなりの点数ならび、年度ランキングの意味合いも決定的に変わりつつある2014年なのであった。二点が競った作品まであり、さすが「二度ベルを鳴らす」のタイトルも伊達じゃなかったと感心した。最新作・近作のみでリスト・アップしようと頑張ったものの、『仮借なき時代』とか『別荘』とか、墓の中から掘り出されてくるに値する破格の傑出作の迫力には抗しようがなかった。
 作者は死んで久しく、忘れ去られた時空の彼方からでも蘇えってくる作品生命というものは確かにあるのだ。
 そういえば、マーガレット・ミラー『悪意の糸』もその手の発掘作ではあった。以前、この作者の未訳作をすべてチェックしようかと決意しかけたことを思い出した。手前勝手だが、時宜を逸すると有り難みも霧散してしまうようだ。

① 仮借なき時代 ヴィクトル・セルジュ
② 別荘 ホセ・ドノソ
③ 誰よりも狙われた男 ジョン・ル・カレ
④ ボリバル侯爵 レオ・ベルッツ
⑤ 特報部Q 知りすぎたマルコ オールスン
⑥ ピルグリム テリー・ヘイズ
⑦ 自堕落な凶器 アリエル・ウィンター
⑧ 三秒間の死角 ルースルンド&ヘルストレム
⑨ リッジウェイ家の女 リチャード・ニーリィ
⑩ ツーリストの帰還 オレン・スタインハウアー

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