更新日記2002.01.22
15日の新聞をみるとアメリカの大統領がスナック菓子を喉に詰めて気絶したという記事が目についた。
左顔面にパンチを喰らったような痛々しい写真つき。
まさかシークレット・サーヴィスのガードを突破したテロリストにやられたわけじゃないだろう。
公式発表は、テレビのアメフト実況に夢中になってスナック菓子を口にほうばりすぎて窒息した、ということである。
ママのしつけがよっぽど良くなかったみたいでいすね。
プレッツェルの製品名まで発表されなかったと思うけれど、喉に詰まりやすい特注品だったりして。
アメリカのさる世論調査によると、米国民の八割は、9.11テロの首謀者の首を獲るまで戦争はつづけるべきだと考えているらしい。
ワールド・トレードセンター・ビルとペンタゴンへの攻撃の直後、ブッシュはテロリストへの報復を望まない者はすべてアメリカの敵だ、と全世界に向かって恫喝をかけた。
ビンラディンの顔写真に「ウォンテッド・デッド・オア・アライヴ」を重ねたとき、子供のころテレビ・シリーズで観たスティーヴ・マックィーンの『拳銃無宿』でも思い出して、ガンマン映画のヒーローを気取りたくなっていたのだろう。ここにいたると――。
もしスナック菓子による不気味な攻撃が、大統領に、一時的な意識喪失によってソファから床に転げ落ちる以上のダメージを与えていたなら、つまり早い話が絶命まで到らせていたなら……。
と、つい想像してしまうのである。ジャンクフード・テロリズム(笑い)の脅威は世界にどんな恐怖と報復の感情を植えつけていたことだろう?
われわれは否応なくポスト「同時多発テロ」の状況に立たされて世界を見直すようになった。
「アメリカの戦争」に日章旗をあげて馳せ参じるという「国策」はいつの間にか既成事実化している。特別の法規が認められたわけでもないし、憲法が改悪されたわけでもないのに。
これもまた八割に近い内閣支持率が認めた「すでに」公認された事実なのだろうか。
大統領の嚥下機能を静かに襲ったジャンク・フードによる「アメリカ内部の敵」の攻撃が、もしブッシュの命を奪ってしまったと仮定すれば、世界最強国家の危機管理マニュアルはまたしても根底的な変革を迫られていただろう。あるいは、その場合には、「外からの攻撃」というストーリーが急遽、用意されたと想像しておくべきなのか。
今回の更新は、連載の第八回(なんだかハイライト・シーンだ ! )と、クラス・リポートの12月22日分。
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