ランキング2023
ミステリマガジン2023.1
①精霊たちの迷宮 カルロス・ルイス・サフォン 集英社文庫
②キュレーターの殺人 M・W・クレイヴン ハヤカワ文庫
③殺しへのライン アンソニー・ホロヴィッツ 創元推理文庫
④ベルリンに堕ちる闇 サイモン・スカロウ ハヤカワ文庫
⑤黒き荒野の果て S・A・コスビー ハーパーBOOKS
⑥喪失の冬を刻む デイヴィッド・ヘスカ・ワンブリ・ワイデン ハヤカワ文庫
⑦偽りの眼 カリン・スローター ハーパーBOOKS
⑧囚われのスナイパー スティーヴン・ハンター 扶桑社ミステリー
⑨ウサギ狩り人 ラーシュ・ケブレル 扶桑社ミステリー
⑩レイン・ドッグズ エイドリアン・マッキンティ ハヤカワ文庫
第一位の他、個人的には、序列に大した意味はなし。
世の中の行末に悲観的となる材料はますます増えるばかりだが。
その一つに、ミステリ人口の「少子高齢化」という項目もあり。広い世間には、熱烈なミステリ愛好家の数と同じくらい、ミステリ嫌悪家が存在することは、経験的に知っていた。そういえば、ホロヴィッツの新作に、ミステリ・フォビアの性格がじつにうまく描かれていた(79ページ)。その後の展開(フォビア死すべし)を読んで溜飲をさげたファンも多いはず。
選考に新訳古典をふくめると、あの二作(あえてタイトルは書かない)にイネスの傑作もあり、オールタイム・ベスト級が混ざってしまう。
困るのは『夜のエレベーター』のような発掘された「新訳」。これは選外だったからいいとして、『密室の魔術師』のケースもある。H・H・ホームズは復刊文庫化なので、約六十年ぶりの希少さはあっても、やはり「規定対象外」になるのだろうか。
これで、最近の選出のアーカイヴ化は、一段落。
次は、前世紀にさかのぼってみる。
光陰矢の如しなのか、あるいは、均質の滞留する風景があるばかりなのか。
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