宮谷一彦
『COM』増刊。1971.7
『COM』は創刊号からすべて揃えていたが、間もなく
手放してしまった。
残っているのは、この一冊きり。
というわけで……。
宮谷一彦の作品はわりと保存してある。『東京壊滅』は『女性自身』の連載。他は『プレイコミック』が初出。
タイトルは、後の北方謙三などと近似していることに気づく。何かこの世代に共通する「共同幻想」のありかかもしれない。
これらの作品が単行本に採録されているのかどうかは知らない。
宮谷は70年代の後半にプロレスものなどで復活しかけたが、以降の作品歴は追いかけていない。
宮谷一彦と真崎・守は、わたしのなかでは当時の劇画最前線を行く二つのビッグネームだった。二人とも早く来すぎたピークを、この雑誌『ヤングコミック』とともにむかえていた。
宮谷は、他に『プレイコミック』などにストーリー性主体の路線を描いていたけれど、あまり成功していない。この時期の「実験的」な私小説漫画がいい。 真崎の『はみだし野郎の子守唄』は深夜放送のラジオというメディアと切り離せない。それも淺川マキの歌声がよく似合う。それしかないような感傷世界だった。
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