石井隆などなど
『漫画エロトピア』1974年分の表紙。
この頃がピークで、あと数年はエロ劇画の時代がつづく。
エロトピアにつづいて『漫画エロジェニカ』とか『漫画大快楽』とか、あとは名前も忘れてしまった雑誌が氾濫した。若松孝二のピンク映画に代わってエロ劇画が「反権力」情念の砦となつたかのような日々。
『漫画エロトピア』増刊二点。 鴨川つばめもそうだったけれど、ふくしま政美もまた「消えたマンガ家」の一人になっていたのだった。
1978年11月の『漫画大快楽』と1979年の『劇画アリス』。後者は自動販売機で買ったものらしく、発刊年月日の記載がない。
三流劇画共闘なるマイナー系のブームの産物。『アリス』には、亀和田武による昂然たる編集長マニフェストが載っている。この他にも、三流エロ劇画の書き手は大勢いたけれど、テキストの残っていない分は、残念ながら名前も思い出せない者がほとんどだ。
暮れなずむ70年代。『復員文学論』の情念とつながっていることはたしかだろう。
このあたりの周辺漫画家だった蛭子能収は、テレビのボケ・キャラ・タレントに転身したようだったが、認知症番組に出ているではないか。びっくりした。
出木英杞『淫花地獄』カバー折り返しと扉。
ピンク映画直系の暗鬱なトーン。石井隆の描く性的失業者の絶望的な決起は、若松映画のような明るみを持たない。ただただ孤独で粘液質に閉じられている。
石井隆の初期作品。 『復員文学論』の75、76ページに注釈がある。
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