更新日記2012.12.31
今期は、移民文学の授業を行なっている。今日は木曜日で、このクラスでは
カルロス・ブロサンの『我が心のアメリカ』について議論していた。彼は、小説かノンフィクションかという形式の問題に関わるさまざまな問題について、時間をかけて説明した。ブロサンは当初その話を小説として書いたが、出版社の意向で自伝として刊行された。アジア系アメリカ人作家のほかの作品、たとえばマキシーン・ホン・キングストンの『チャイナタウンの女武者』にも、同じような経緯が見られる。だからこそ作家のフランク・チンは、「黄色人種の自伝は、白人人種主義者が押しつけた文体だ」と主張するのだ。チンの主張はどの程度まで正しいといえるだろうか。彼は学生たちにそう問いかけた。さらに、自伝と小説の根本的なちがいは何か? それぞれの出版形式の利益と不利益は? 学生たちはそれらの問いに刺激されて、学生どうしでも意見を戦わせた。
すばらしい墜落 ハ・ジン 立石光子訳
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