更新日誌2008.12.15
ジャック・ロンドン『どん底の人びと』
百年前の貧民街の探訪記。めぐりめぐっての現代性に、息をのむ。
人を惨めな思いに追い込むのはむしろ、惨めに「生きる」ことなのである。つらい労働をしても一切報われずにいること、心が疲れ擦り切れているのに、孤独なまま連帯を断たれ、今の世界をあまねく支配している冷酷な「自由放任」の原理に包囲されること、これが人を惨めにするのだ。
これはロンドンが8章冒頭に引用しているカーライルの文章(行方昭夫訳)。世界はまったく進歩していない。
Share this content:
コメントを送信