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更新日記2007.03.03 ダルウィーシュの詩

更新日記2007.03.03 ダルウィーシュの詩

 パレスチナ・キャラバン連続プレ企画を見物してきた。正直なところ、何の表現発信なのか、よく確認しないで出かけたのだが。
まさか、マフムード・ダルウィーシュ本人が現われるってことはないよな。やっぱり。
ダルウィーシュ詩のアラビア語朗読を聴けたのは収穫だった。
七〇年代の詩「パレスチナの恋人」はまだ空で覚えている部分もあるが、今回、朗読された長編詩『壁に描く』は最近のもの。青春の詩人は、死を見つめ、ことさら生硬な語句まで駆使する「成熟」を遂げていた。けれども豊饒な愛とナルシズムのダルウィーシュ世界は、幾重もの屈折を経ながらも堂々と健在だった。

だがまず私が知っているのは
私が青春の花であり 騎士の中の騎士だということだ

 

詩の朗読をコラボレーション構成の形で聴くのは二度目だ。
一人目は金時鐘〈キム・シジョン〉だった。
当日、ゲスト・スピーカーになった足立正生の口から詩人の実像がおよそナマな言葉で聞けたことも収穫だった。「ものすごい女好きだよ」 さもあらん。
そうでなければ、陽光まぶしい求愛のバラード君のハンカチと両足と肉体は パレスチナの乙女のものがそのまま祖国への渇望する愛に重なり、その詩句が山上の垂訓のように民衆にしみわたっていくことなどありえないではないか。

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