近況もしくは2007年問題
わたしは1947年生まれなので、ダンカイ一号として来年、2007年問題に直面する。この問題は難問というほど厄介なものではなく、簡便にいうと、「お前ら無駄に多数存在であることが恥ずかしくないのか、少しは社会に有用たれ(いいかえれば早よ氏ネ)」というバッシングにすぎない。物心ついた時から叩きこまれてきた敵意なので今さらの感もある。まさか自分もふくめてこんなに生き残るとは思ってもみなかったと狼狽したって手遅れだ。要するに、トゥー・リトル・タイム。遺された時間はあまりに些少なのだ。
もう一つ、これは個人的にかなり憤慨にたえない2007年問題がある。マイクロソフト社による新OSウインドウズ・ヴィスタの発売だ。製品のヴァージョンアップは世のならいとはいえ、困るのは、現行のXPのサポートを数年後に打ち切ると予告されていること。すでに98やMEのサポートは停止されている。古いヴァージョンでインターネットはやるなってこと。消費者には選択の自由はないのか。
今のXP以上にふだんは使わんような沢山のスキルを搭載している(らしい)ヴィスタを標準モードしろ、というのがM社の2007年ヴィジョンだ。売り物の一つ、スパイ・ウイルス除去だって今のOSでフリーソフトをインストールすることで充分に用は足りている(もちろん自己責任で使ってます)。ヴィスタにならなきゃ困ることはほとんどないと思うんだけど。現行のマシーンでヴィスタに移行することもできないではない。しかしこのためにはメモリを1GBに増設せねばならん。早い話が、従順なる消費者たちよ、PCマシーンから新しく買い替えろ、といってるようなものだ。
インターネット社会の進化についての議論に「ネットは消費者に参加型の自己表現の機会を可能にした」というのがある。よくいうよ。2007年はヴィスタで? これがWeb2.0の経済効果の正体か。
(注 「氏ネ」は、ネット掲示板に特有の表記で「死ネ」の意味)
日本推理作家協会会報2007.2
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