激戦の日本読書新聞など 6
1984.12.24
期せずして終刊号になった紙面。
内紛の進行は耳にしていたが、突然の幕引きのあっけなさには驚いた。
これが四十年つづいた硬派ブックレビュー誌の歴史の閉じられ方かと、呆れかえったものだ。
いま思えば「Gone is the Romance that was so Divine」のタイトルも、不吉な予言みたいなものとして残ってしまった。
知らせを聞いたのは、横浜寿町で風の旅団の芝居を観た次の日だった。
再建委員会のような動きはあったらしいが、わたしの知るかぎりでは具体化しなかった。
媒体としての歴史を評価し、資料化する試みも現われなかった。縮刷版などの保存形態がどこまで実現しているかも知らない。
わたしが書き手として加わったのは最後の三年にすぎないとはいえ、擬制の終焉の立会人になったという認識も浮かびにくかった。
終期の陣形は、旗持ちが菅孝行、池田浩士、粉川哲夫あたりで、少し年代の下がるわたしや平井玄がいた、ということになるだろう。1984年。転戦は不可避に始まっていた。
自分のなかの何かが共に葬られたと感じるのは筋違いの感傷だろう。
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