激戦の日本読書新聞など 2
1984.8.27
『マス・イメージ論』追撃の第一弾。
『復員文学論』vs『マス・イメージ論』といった構図が、この時期には確実に存在していたのだろう。
今では顧みられない発想だから、証言としての意義はあるかもしれない。粋がって啖呵をきるチンピラの文体だ。
少し後に『同時代批評』が同種の吉本狙撃特集を組んだ。岡庭さんには不義理だったが、わたしは寄稿に参加しなかった。週刊書評紙と季刊誌が同じスタイルを狙っても成功しないだろう。
記事のマンガは自筆だ。赤塚コピーの線画程度なら描けたのだった。
これを見た谷川雁が「てめえら波乗りブンドは相変わらずガキのプチブル左翼のはねあがりをやってやがるんだな」とツバを吐いたという。雁的のガン頭には何でもかんでもブンドに見えたらしい。
対吉本の言論戦は、『反核異論』から持ち越して、頂上に達していた。
この文章はいちど評論集に収録する予定だったが、タイトルの「女性差別用語」がたたってお流れになった。
そのうちに、歴史博物館の記念文書のように色褪せていってしまった。
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