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更新日記2004.11.16

更新日記2004.11.16

 またまたPRである。
ミステリマガジン新年号から連載が始まる。11月25日発売。
タイトルは『夜の放浪者たち モダン都市小説における探偵小説未満』
だいたい三年くらい続く予定。
第一回は、川端康成と関東大震災から始める予定だったが、ちょっと
(というか、かなり)わかりにくいので、序論として坂口安吾
『復員殺人事件』の考察にあてた。
 
 以降の予定は――。
川端が『浅草紅団』で「震災の娘」を永遠のヒロインとして書きそ
こねたことの意味。大げさにいえば、それは近代日本文学全体の
大きな挫折を物語るという話。
あと戸川貞雄「震災異聞」と。谷崎潤一郎の「呪はれた戯曲」
『黒白こくびゃく』『残虐記』『鍵』とつづいていく。谷崎論は、これは只ならぬ面白さになるんじゃないかと、予感がする。なにしろ奥歯の痛みから大震災を幻視するファンタジーを書く人だ。大谷崎(おおたにざき、と読む)だな。

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