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更新日記2003.05.15

更新日記2003.05.15

評論集のゲラがあがってきて、ベタ読みする。何ということはないのだが、猛烈に憂鬱に捕らわれた。
いくつか調子の悪いものが入っている。これはいくら何でも直さないといけないな、などと思っているうちにだんだんウツ状態に引きこまれる。朝、起きるとウツの野郎はさらに頭にのって強力に育ってしまっている。こういう日は仕事はほっておいて外出でもした方がいいのだが、外は雨。よけいに鬱陶しくなる。
自分の文章を読んでウツに叩きこまれるのは珍しい体験じゃないけれど。どうもそのなかでも重症に近い症状が出てきた。ゲラの細かいチェックは、書くのとまた別の集中が必要だし。もう少し良好なコンディションで臨みたいのだけれど。ケレドけれどでさらにウツが肥え太っていきそう……。
他の本に関しては、小説が二冊、待機中だ。
久しい以前からずっと待機中のまま。これはウツとは関係ないけれど、まったく関係ないはずはないし。

岡本かの子を読む。かの子は素晴らしい。
東欧文学の参考書で適切なものがないか探している。あるようでないもんだ。チャペックの本がやたらに出ているので驚いた。
『北朝鮮本をどう読むか』(明石書店)という本は役に立った。この十年ほどの「北朝鮮本」の洪水はすさまじいようだ。その中で真面目な考察に値するものはどれだけあるのだろうか。本のタイトルだけ眺めていると、この国は本気で「北朝鮮」とコトをかまえる民意に充満していると思えてくる。掛け声だけでも、これは立派な「言論テロ」じゃないのか。

 

評論集のタイトルは『世界の果てのカレイドスコープ』にしようか、と思っている。というか、あまりガンとくるのを思いつかない。ゼロをキーワードに考えていたのだが、ゼロという語感には、どうしてもネガティヴ・イメージがついてくる。こちらにそのつもりがなくてもネガティヴ・イメージに引きずられてしまうみたいだ。それで却下。けれど何かサブタイトルが必要だろうな。
その本のなかから「書き下ろし」のサワリを「現在進行形」としてアップする。このかんしばらく進行形を進行できず、自分でもいったい何をしているのかという気分があった。いくらかはそれを打ち払うことを期待して。

 

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